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3時間バイオレンス。/異端の鳥

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youtu.be

2019年製作/169分/R15+/チェコ・スロバキアウクライナ合作
原題:The Painted Bird
配給:トランスフォーマー

映画館のポスターを見て知った「異端の鳥」を観賞。

 

【あらすじ】

少年(ペトル・コラール)は東欧のとある場所に疎開し、無事にホロコーストから逃れる。だが、疎開先の一人暮らしの叔母が病気で亡くなり、さらに叔母の家が火事で焼け落ちたため一人で旅に出ることになる。孤児になった彼はあちこちで白い目で見られ、異物として周りの人々にむごい扱いを受けながらも懸命に生きようとする。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

少年をひたすら虐め、虐待し抜く暴力に満ちた3時間。彼に危害を加えるのがナチスだけでなく、行く先々に住む一般市民であることも、なおのこと恐ろしい。

物語は章別に区切られ、少年が訪れる先の登場人物の名前が表示される。その人物達が少年にとんでもない危害を加える訳だが、その章のボスを倒し、次のステージに進んでいくようなゲームに似た感覚にもなってくる。

印象的なのは「異端の鳥」(painted bird)を象徴するシーン。鳥に白いペンキを塗り、その鳥を群れに返すと、他の鳥はそれを異物とみなし攻撃を始め殺める。地面に落ちたそれを、同じく異物である少年が拾い上げる場面はこの映画のテーマを暗示している。

(右記、ちょっとネタバレ)多くの虐待に耐え抜いた少年が初めてブチ切れるシーンは、「お前も幼年にして大人なんだな」と思わせる。(笑)お世話になった女性がかなりの淫乱で、少年は女性の相手をさせられるのだが、初体験の少年が女性を満足させられるはずもなく。その後、すごい方法で女性は少年に対して屈辱的な態度を見せる。それを見た少年、激昂して女性の家畜(ヤギ?)の首を切り落とし、深夜に女性の寝室に放り投げ、そのまま脱出。「ゴッド・ファーザー」を思い出したのは自分だけだろうか。

ということで、このあたりから少年も他人を傷つけるような行為をするようになる。彼は果たして無事「家」に辿り着けるのだろうか。

チェコ・スロバキアウクライナ産だけど、ハリウッドで活躍するメジャー級の俳優が出演していることに驚いた。ハーヴェイ・カイテルバリー・ペッパーなどなど。後者はワニ映画の傑作「クロール 凶暴領域」で圧の強すぎるスポ根オヤジを熱演。

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↑やられたら、やり返せ。の精神を少年に伝授する物静かなスナイパー。彼が少年ののちの行動に大きな影響を与える。

 

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