いくらなんでも酷い。/ スタートアップ・ガールズ
2019年製作/93分/G/日本
配給:プレシディオ
『舞妓はレディ』などの上白石萌音と『神さまの言うとおり』などの山崎紘菜を主演に迎えた、起業がテーマのヒューマンドラマ。『東京の日』などの池田千尋が監督を務め、2人の女性がビジネスパートナーとなって未来を模索する姿が描かれる。
【あらすじ】
大企業勤務で起業家に投資する南堀希(山崎紘菜)と、大学生ながら起業家で天才肌の小松光(上白石萌音)。二人は、光のサポートをしているミズキ(山本耕史)の考えで、小児医療で遠隔操作による診察を行うプロジェクトのビジネスパートナーになるが、光の身勝手さを目の当たりにした希は、彼女を信頼できなかった。
【感想】
酷い。冒頭からイライラしながらなんとか最後まで鑑賞。過去、自分が許せないと思える作品「SIREN」「空に住む」に並ぶ。怒りながら書いているので、まとまりのない文章に。
光のキャラ設定
いちばんイライラさせられるのが上白石萌音演じる光のキャラクター。大学生ながら事業に関するヒラメキは天才的。だが人格破綻者。彼女の言動を観ていて本当にイライラさせられるし、彼女の演技に対する演出に不自然さしか感じない。天才という設定も伝わってこない。つまり説得力がない。
伏線回収、キャラの掘り下げ一切なし。
「裏切られる」ことに対して異常なまでの恐怖心を抱いている描写があるので、何かバックストーリーがあるのかと思っていたけど、その伏線の回収もない。
つまり、そういう描写が一切ないが故に光という人物に対してイライラさせられるんじゃないか。何かしらのバックストーリーがあれば「ああ、そういうことだったのか」とかふに落ちると思うけど、それがないから本当にただの憎たらしい自由奔放な女子大生で終わってしまう。
希(山崎紘菜)に関しては多少語られる部分はあるけど、これもちょっとよくわからない。
光と希の絆を描きたいか? と思ったらそうでもない。
光と希がギクシャクしながらもビジネスを形にしようと奮闘していくのかと思いきや、そうでもないし、二人がタッグを組む理由づけもよくわからない。ラストでは光が発案したビジネスモデルのプレゼン当日には遅刻しそうになるし、プレゼン自体も横柄な態度。だけど参加者はその内容に引き込まれている様子だが、観てる側としては、この企画の何が凄いのか。という事が一切伝わってこない。作り手側の中で勝手に話進めちゃってる感。
結局、光の発案したプロジェクトを抜け、希に託して終わり「えっ?」と唖然としている間にトドメのエンドロール。なんというか話として破綻している。
セリフがいちいちイラッとくる
希の上司の「うちは大企業だから…」というセリフや細かいところは忘れたけど、なんか違和感のある台詞や演出がとにかく多い!演出なのかもしれないけど山本耕史のワザとらしいセリフの言い回し、こんなこと言う奴おるか!というものが多かったけど、観てるうちに慣れた。
…違和感あるところを羅列してただのイチャモンみたいな内容になっていそうだけど、映画として色々とおかしい気がする。もっというと起業をテーマとした内容と上白石萌音の破天荒なキャラクターの組み合わせ自体がミスマッチなのでは。起業というイメージになぜこのキャラクターなのか。硬いイメージを光を使って中和させたかったのか。結局どっちつかずになってないか??? 以上に挙げた雑音が多すぎて、正直ストーリーに集中できなかった。というかもうめちゃくちゃだ。
ただ、これは監督や脚本に起因するものであって、演者に罪はないと思う。いちばんまともに見えたのは山崎紘菜だった。