台本のない映画。/ 疑惑とダンス
本日2件目の記事投稿。
二宮健監督作品「疑惑とダンス」を観た。
【あらすじ】
結婚間近のカンナとマサオを祝おうと、カンナが大学時代に在籍していたダンスサークルのメンバーだったコムラ、サトシ、サナ、ツバキがパーティーを開く。昔話などで盛り上がっていると、学生時代にカンナとコムラがセックスをしていたのではないかという疑惑が持ち上がる。それまでの和気あいあいとした空気は一変し、痴話げんかに発展。やがて彼らの友情と絆は、完全に壊れてしまう。
【感想】
この映画には、台本がない。
あらすじに沿って、細かいセリフは全て役者任せ。
という実験的な映画。
それを知った上で鑑賞するのが前提じゃないと
「なんだこれは。」となってしまうかもしれない。
結果から言うと、とにかく面白くて笑った。
お題目は「ヤッたかヤラなかったのか。」に尽きる。
ということで下ネタが多めなのだが、即興の演技をするなら
複雑なものよりもこういうテーマの方が役者も少しは楽かも。
内容が内容だけに、泥試合。人間の本性むき出し。
役者も、素なのか演技なのか。ボーダーラインがわからない。
どいつも、こいつも、ロクでなしになって行く。
自分が感情移入したのは、徳永えり演じるカンナかな。
もう、「ヤってない!」をいい通すしかない。(笑)
もはやセルフ・マインドコントロールの域。
さて、カンナは果たしてヤッたのか。否か。
ソフト化されるかわからないが、
ご自身でお確かめください。
映画の尺は60分。
途中、インターバルで何故か出演者全員による
これまた、即興と思われるダンスが挿入される。
自分には意味がわからなかったけど、
タイトルにも「ダンス」が入っているし、重要なのだろう。
後半はちょっとダレて来た感は否めない。
それを感じ始めたあたりで映画は終わる。
こう言う実験的な映画、いいと思う。