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【ネタバレあり】予想外の展開。/おもかげ

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2019年製作/129分/PG12/スペイン・フランス合作
原題:Madre
配給:ハピネット

幼い息子が消息を絶って以来、失意の日々を過ごしてきた母親の希望と再生の物語。ロドリゴ・ソロゴイェン監督が撮り上げ、第91回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた作品のその後が描かれる。主演のマルタ・ニエトは第76回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最優秀女優賞を獲得。本作が長編映画3作目となるジュール・ポリエ、『ペインレス』などのアレックス・ブレンデミュール、『愛されるために、ここにいる』などのアンヌ・コンシニらが共演する。

 

【あらすじ】

元夫と旅行中の息子から電話を受けたエレナ(マルタ・ニエト)は、息子が一人で海辺に取り残されていることを知るが、それがわが子の声を聞いた最後の会話となる。10年後、息子が失踪した海辺のレストランで働くエレナは、息子によく似たフランス人の少年ジャン(ジュール・ポリエ)と出会う。それ以来ジャンは彼女の元を度々訪れるようになるが、彼らの関係は周囲に混乱を巻き起こしていく。

 

【感想】

んー、一番面白かったのは冒頭の15分だろうか。もともと短編映画だったこの作品、この冒頭の部分で話は終わるのだが、その後を描いたのが今回の長編版。

父親と一緒に旅行をしている筈の幼い息子が海辺で一人置き去りにされ、その後どうなっていくのかが描かれるのかと思ったのだが、舞台は突然10年後。息子が失踪したとされる海辺で母親の主人公エレナは海の家で働いているという設定。そこに10代半ばの少年ジャンと出会う。息子のおもかげ漂うジャンは息子と同じくらいの歳でもあり、エレナとジャンは急接近していく。

この二人の関係性がとても危うく、ジャンは完全に女としてエレナを見ている。このくらいの歳、性欲が服を着て歩いているようなもの。(笑)一方、意図的だとは思うがエレナがジャンを男としてみているような、息子のおもかげと重ねているのかの境が曖昧なのもハラハラする。個人的な感想としては前者じゃないかと感じながら観ていたけど。でも、エレナには年上の彼氏もいたし、正直彼女の言動には終始イライラした。終盤の不法侵入シーンはあまりに身勝手すぎるし、自分は完全にエレナを敵対視していた。(笑)年上の彼氏にも「さっさと、見切りをつけなされ」とエールを送る。

息子を失った悲劇の母親というテーマから、歳の差男女の真夏の情事映画だった。「君の名前で僕を呼んで」を思い出したけど、あそこまでベタベタはしていない。