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マクガイバー×メタルギア。/プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵

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ハリー・ポッターダニエル・ラドクリフ主演の「プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵」を鑑賞。

 

【あらすじ】

南アフリカ。白人でありながら、反アパルトヘイト組織であるアフリカ民族会議(ANC)の隠密作戦に参加したためにプレトリア刑務所に投獄されたティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)とスティーブン・リー(ダニエル・ウェバー)。最高レベルの警備体制が敷かれる所内で脱獄の手段を模索するティムたちは、木片を集めて作った鍵で出口までの扉を一つずつ解錠しようとする。木製鍵を次々と作成する二人だが、看守の監視の目が厳しくなっていく。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

大好きな刑務所からの脱獄モノ、有無を言わさず鑑賞。下調べの必要なし。

刑務所映画、意外とハラハラドキドキするものは少ない気がする。パッと思い出すのは映画じゃないがドラマ「プリズン・ブレイク」ぐらいかな?プリズン…は天才的な頭脳を持つ主人公が自ら設計した刑務所に意図的に入所し、無実の兄を救い出す。と言う話だが、「プリズン・エスケープ」はそういった特殊技能はない、反アパルトヘイトの活動家の男性二人が主人公。前半はDIY満載、身の回りのもので脱獄の道具を作ってしまう「冒険野郎マクガイバー」的要素を堪能できる。鍵だけじゃなく、鍵を回すためのギミック満載のお手製グッズは必見。

後半は、ステルス映画。名作ゲーム「メタルギア・ソリッド」そのもの。看守の目をくぐり抜け、いくつもある扉を開錠し、出口を目指すドキドキ感。扉を1つ開けるたび、自由への道が近づいてくるのだが、進めば進むほど主人公の認知しえない未見の場所に身を置くことになり、いつ看守が現れるのか分からない、心臓殺しの展開が。思わず「うぉ」と声に出してしまいそうになる。もし、脱獄の途中で扉が変えられてしまったら? などと考えるだけで、気が遠くなる思い。

そして、ラストはあまりの超絶展開に「ぎゃあ!!!」となる。「もうやめて!」となる。果たして、彼らは無事に脱出できるのだろうか。まぁ、1970年代という時代と、南アフリカという舞台条件がこの実話を生み出したのだと思う。今だったら、絶対に木の鍵で解錠できるような扉の刑務所など皆無だろうし、当時のこの刑務所の警備もかなりずさんな印象だったし。

総括すると冒険野郎マクガイバーメタルギア・ソリッドのいいとこ取りなエンタメ作品要素に加えて反アパルトヘイト活動家への仕打ちも明らかにする、歴史と政治色も盛り込んだバランスの良い作品。刑務所映画としては登場人物も少なく、展開も斬新だと感じた。