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スクリーンで初鑑賞。サウンド・オブ・ミュージック(午前十時の映画祭final)

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普及の名作、「サウンド・オブ・ミュージック」を午前十時の映画祭finalで劇場にて鑑賞してきた。

言わずとも知れたクラシック作品だが、観たのは何十年ぶり。半世紀前にして完璧すぎるクオリティに眼から鱗の傑作と思いを改めた。

ハリウッド映画は1960年代にして既にミュージカル映画の基礎を確立していた。

【あらすじ】

ロジャース&ハマースタイン・コンビの大ヒットしたブロードウェイ・ミュージカルの映画化。1938年のオーストリア、院長の命により厳格なトラップ家へ家庭教師としてやって来た修道女マリア。彼女の温かい人柄と音楽を用いた教育法で、七人の子供たちはマリアの事が好きになるが、父親であるトラップ大佐とマリアの衝突は絶え間なかった。だが、次第に大佐に惹かれている事に気づき悩むマリア。やがて大佐の再婚話が持ち上がり彼女は傷心のまま修道院に戻るのだが……。(オールシネマオンラインより引用)

【感想】

大筋は覚えていたが細部は失念していた。主人公のマリアとトラップ大佐が恋に落ちる下りは抜けていて、その展開に驚いた。修道女が恋に落ちる設定って、なんか凄い。当時バッシングとか受けなかったのかな。

冒頭から物語の壮大さが伝わる。空撮による自然豊かな山々をダイナミックに映し出し、やがて場面は草原へ。そこに佇むジュディ・アンドリュース演じるマリアの歌声が。オープニングからこんな名シーンだったとは。

そして、もう1人の主演は、トラップ大佐役のクリストファー・プラマー。彼はいまなおハリウッドの第一線で活躍する凄い人で、記憶に新しいのは「ゲティ家の身代金」。ハリウッドを震撼させたセクハラ問題で主役降板、実質ハリウッド追放になったケヴィン・スペイシーの代役を無茶振りされるも、なんとその役でアカデミー賞にノミネート。

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過去にも「人生はビギナーズ!」で同性愛者を演じてオスカー受賞。他にもダブル主演とかではなく、ピンで主役を張る作品が毎年公開されている、スーパー俳優。この人はかなり好きで、主演なら観に行く。

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さらにはトラップ家の長女を演じたシャーミアン・カー。子供の頃は勿論意識してなかったけど、今見たらなんとまぁ美人なこと。眼が釘付け。16歳にしては大人っぽ過ぎた気もしたけど。

ミュージカル映画といえば音楽がキモなのはいうまでもないが、劇中で歌われる曲は現在でもCMや学校の教科書、巷で耳にするくらいのスタンダードな名曲がほぼ全て。

ジュディは勿論、プラマーもイケメン顔で「エーデルワイス」をギターで弾き語り、マリアの心を独り占めするのだった。

ストーリーは前半は修道女も白旗あげるほどの暴走女マリアの描写、その彼女が厳格なトラップ家へ家政婦として関わり、子供との絆やトラップ大佐との恋が描かれハッピームードが漂うも、影を落とすのは戦争。そう、またあいつらだ。ドイツだナチスだ、ヒトラーだ。

何千レベルで製作されているであろうヒトラー映画、ここでも奴は人の人生を滅茶苦茶にしてくれる。

意外に政治色が強く、冒頭からその伏線は張られてはいたのだが。

音楽、ストーリー、キャスティング、映像全てが非の打ち所がない完璧すぎる作品、あまりにスタンダードすぎて逆に観る機会が過去になかったが、午前十時の映画祭のお陰で改めて作品を認知するに至った。

1番好きなのは修道院の院長が歌う「すべての山に登れ」。

なぜか歌う院長が主役のはずなのに、彼女にはライトが当たらず影の中で終始歌う。マリアにはライトが当たっている。こんなライティングは他には全くなかった。どういう意味なのか。これは、院長もその昔、マリアと似た経験をして自分は修道女を選んだ経緯が過去にあったのでは。と勝手に勘ぐっているが真相やいかに。

https://youtu.be/ru63cg363oU

残念ながら映画祭は10年目の今年で終わってしまうのだが、この企画から得た映画の英知は計り知れない。ありがとうございました!