ガルヴェストン
3歳でデビューして役者生活が21歳にして
18年は経とうか。という芸達者エル・ファニングが娼婦を熱演、
フランスの女優にして監督のメラニー・ロラン監督作品
「ガルヴェストン」を鑑賞した。
スーパー良かった!
【あらすじ】
裏社会に生きるロイ(ベン・フォスター)は自分が末期ガンで余命わずかなことを知る。その夜ボスの指令で向かった先で何者かに襲われ組織に裏切られたことを悟った彼は、相手を撃ち殺してその場に捕らわれていた少女(エル・ファニング)を連れて逃げる。行く当てもなく体を売っていたという彼女はロッキーと名乗り、二人は果てのない逃避行に出る。(yahoo!映画)
【感想】
監督はフランス人女優のメラニー・ロランということで
ヨーロッパ調の甘口描写になるのでは。
スローテンポロードムービーなんじゃないか。
と予想していたが、甘かった。こっちが甘かった。
不治の病にかかり組織を追い出された殺し屋ロイと
身体を売ることでしか生活費を稼げないロッキーに降りかかる
厳しい現実をバイオレンスをふんだんに盛り込んで描き切った。
↑役者としての認知はあったけど監督としての手腕はどうなのか、未知数だった。
殺し屋と少女の逃避行は「レオン」や
近年だと「ビューティフル・デイ」を思い出す。
死を待つだけの、お役御免になった殺し屋の「暗」と
しかたなく娼婦をしているものの、
まだ未来の可能性を秘めたロッキーの「明」
のコントラストをうまいこと絡ませつつラストへの
持っていきかたがよかった。
ロッキーの無垢な若々しい姿が数シーンあるのだが
彼女が輝くほどに、その儚さが身に沁みる。
↑このシーンで号泣。海って映画で重要なシーン多め。
「恋は雨上がりのように」「万引き家族」とか。
言わずもがな、自分はエル・ファニング目当てで観に行ったのだが
ベン・フォスターのヤサグレた殺し屋の演技が本当によく
どっちが優っている というのではなくお互いの魅力を
うまく引き出しあっているような印象を受けた。
明るく楽しいエンタメ映画ではないけれど、
2人の演技を観ているだけでも、十分にお釣りが来るレベル。
パンフレットも久しぶりに購入。自分の好きな写真メインの構成。
そんなメラニー・ロランの最新作は
「英雄は嘘がお好き」。
妹の婚約者が戦争に駆り出された。
毎日手紙を出すと約束する婚約者。
が、手紙は来ず。
失意の妹を見かねて善意で姉のメラニーが婚約者になりすまし
手紙を代筆。数々の武勇伝をでっち上げ、最後は死んだことに。笑
そしたら、ある日。婚約者が無事生還。さぁ、どうする?
的なストーリー。10月と言わず、来月公開しませんか。