壊れかけてないエンタメRadio

引っ越しました。

エンタメ全般のごった煮放送。

【ネタバレあり】予想外の展開。/おもかげ

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2019年製作/129分/PG12/スペイン・フランス合作
原題:Madre
配給:ハピネット

幼い息子が消息を絶って以来、失意の日々を過ごしてきた母親の希望と再生の物語。ロドリゴ・ソロゴイェン監督が撮り上げ、第91回アカデミー賞短編実写映画賞にノミネートされた作品のその後が描かれる。主演のマルタ・ニエトは第76回ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最優秀女優賞を獲得。本作が長編映画3作目となるジュール・ポリエ、『ペインレス』などのアレックス・ブレンデミュール、『愛されるために、ここにいる』などのアンヌ・コンシニらが共演する。

 

【あらすじ】

元夫と旅行中の息子から電話を受けたエレナ(マルタ・ニエト)は、息子が一人で海辺に取り残されていることを知るが、それがわが子の声を聞いた最後の会話となる。10年後、息子が失踪した海辺のレストランで働くエレナは、息子によく似たフランス人の少年ジャン(ジュール・ポリエ)と出会う。それ以来ジャンは彼女の元を度々訪れるようになるが、彼らの関係は周囲に混乱を巻き起こしていく。

 

【感想】

んー、一番面白かったのは冒頭の15分だろうか。もともと短編映画だったこの作品、この冒頭の部分で話は終わるのだが、その後を描いたのが今回の長編版。

父親と一緒に旅行をしている筈の幼い息子が海辺で一人置き去りにされ、その後どうなっていくのかが描かれるのかと思ったのだが、舞台は突然10年後。息子が失踪したとされる海辺で母親の主人公エレナは海の家で働いているという設定。そこに10代半ばの少年ジャンと出会う。息子のおもかげ漂うジャンは息子と同じくらいの歳でもあり、エレナとジャンは急接近していく。

この二人の関係性がとても危うく、ジャンは完全に女としてエレナを見ている。このくらいの歳、性欲が服を着て歩いているようなもの。(笑)一方、意図的だとは思うがエレナがジャンを男としてみているような、息子のおもかげと重ねているのかの境が曖昧なのもハラハラする。個人的な感想としては前者じゃないかと感じながら観ていたけど。でも、エレナには年上の彼氏もいたし、正直彼女の言動には終始イライラした。終盤の不法侵入シーンはあまりに身勝手すぎるし、自分は完全にエレナを敵対視していた。(笑)年上の彼氏にも「さっさと、見切りをつけなされ」とエールを送る。

息子を失った悲劇の母親というテーマから、歳の差男女の真夏の情事映画だった。「君の名前で僕を呼んで」を思い出したけど、あそこまでベタベタはしていない。

捕虜から英雄へ。/キーパー ある兵士の奇跡

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2018年製作/119分/G/イギリス・ドイツ合作
原題:The Keeper
配給:松竹

第2次世界大戦後のイギリスで活躍したドイツ人ゴールキーパーの実話に基づく人間ドラマ。逆境の中、サッカーを通じてイギリス人に受け入れられた元ナチスドイツ兵の波瀾(はらん)万丈の人生を描く。監督は、ドイツのマルクス・H・ローゼンミュラー。『愛を読むひと』などのデヴィッド・クロスが主演を務め、『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ~ロンドンの泣き虫ギタリスト~』などのフレイア・メイヴァー、『天使の分け前』などのジョン・ヘンショウらが共演する。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【あらすじ】

1945年、戦地で捕虜となったナチスドイツの兵士バート・トラウトマン(デヴィッド・クロス)はイギリスの収容所に送られる。収容所内でサッカーをしていた際に地元チームからゴールキーパーとしてスカウトされ、試合で実績を残した彼は名門サッカークラブ「マンチェスター・シティFC」に入団。元敵兵に対する罵詈雑言を浴びながらもトラウトマンはゴールを守り抜き、やがて歴史ある大会でチームの優勝に貢献する。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

結構前から予告編を観ていた気がするが、この作品もコロナの影響で公開が延期になった印象のある一本。既に本国では2018年には公開されており2年経ってようやく日本で観られるに至った。

ナチスベースの「ある画家の数奇な運命」「異端の鳥」を観たばかりで、流石にお腹いっぱいで鑑賞しようか迷ったが、見応えのある良作で観てよかった。この手の作品は主人公に暗い影を落とすものが多かったけど、これはちょっと毛色が違った。

捕虜からサッカーを通してイギリスの英雄にまで登り詰める実在人物の伝記。名門サッカーチームに移籍するも、元ナチス兵を向かい入れたチームに対して、ファンのみならず国を巻き込んでの物議を醸す。それを実力で逆境をも追い風にしていく展開は痛快。中盤の意中の女性と夜を共にした次の瞬間、いきなり結婚しました。の展開に一瞬戸惑ったけど。劇中ちょいちょい現れる、戦場で出会った少年のファントムがトラウマ。

後半、主人公に降りかかる災難には「ああっ」と声を上げそうになる。歳のせいなのか、あの手のネタは観てて心にこたえる。(笑)「ある画家の数奇な運命」に続き、ドイツ映画の良作。見応えあり。

(一部ネタバレあり)心の真ん中が痛い。/ 朝が来る

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2020年製作/139分/G/日本
配給:キノフィルムズ

ドラマ化もされた直木賞作家・辻村深月の小説を映画化。特別養子縁組で男児を迎えた夫婦と、子供を手放す幼い母親の葛藤と人生を描く。キャストは『八日目の蝉』などの永作博美をはじめ、井浦新蒔田彩珠浅田美代子ら。『殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がメガホンを取り、『凶悪』などの高橋泉が河瀬監督と共同で脚本を手掛けた。(シネマトゥデイより抜粋)

【あらすじ】

子供に恵まれなかった栗原佐都子(永作博美)と夫の清和(井浦新)は、特別養子縁組の制度を通じて男児を家族に迎える。それから6年、朝斗と名付けた息子の成長を見守る夫妻は平穏な毎日を過ごしていた。ある日、朝斗の生みの母親で片倉ひかりと名乗る女性(蒔田彩珠)から「子供を返してほしい」という電話がかかってくる。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

宣伝の手法としてはミステリー色強めだけど、蓋を開けてみるといろんな人に見て欲しい。と思えるヒューマンドラマという印象が強い。良作。

 

ーー養子に出す家族、受け入れる家族それぞれに事情があるーー

子供が欲しかったけど、授かれなかった夫婦と、子供を授かったけど、育てることを許されなかった母親の話。心の真ん中が痛い。とはまさにこのこと、德永英明も上手い歌詞を考えたものだ。かつても、なんかの映画の感想でこの言葉を拝借した気がする。

 

ーー幸せな夫婦に突きつけられる避けようのない事実ーー

観ていて苦しい事この上ない。2部構成からなる本作、1部は永作博美井浦新演じる栗原夫妻に降りかかる、「永遠に自分の子供は授かれない」という現実。旦那は離婚してもらっても構わない。とまでいう。同性の自分が彼の立場になったらどんな気持ちだろう。

 

ーー団長の思い出自分の子供を手放さざるを得ない中学生の母親ーー

さらに気持ちが辛くなる第2部は養子縁組で子供を提供する側の片倉ひかり。中学生の彼女は妊娠。家族からは猛反対。堕胎する時期も過ぎたため、産んですぐ、半ば強制的に養子縁組に子供を出すことに。悲しいのは、ひかりは「子供を育てたい」と願っていること。まだ中学生の彼女には経済力も反対するだけの力もなく、断腸の思いで子供を手放す。個人的には孫として育てればいいのでは。と思ったりしたが、親が世間体を気にしてそんな選択肢はなかったのだろう。

 

ーー色々と考えさせられるラストーー

 ここから先は更なる展開が待っているが、それはぜひ劇場にて。心の痛みはピークに。果たして、4人に幸せは訪れるのだろうか。

監督の本当のメッセージは、エンドロールが終わる20秒ほど前から始まる朝斗の声。これにこの作品の意図の全てが込められているので、絶対に退席してはならない。

 

ーー徹底した役作りーー

 出演者は徹底した役作りを求められた。永作博美井浦新と朝斗役の小役は本当に数ヶ月間タワーマンションに住み家族として生活。ベビー用品一緒に買いに行ったり本当にデートしてたそうですよ。その最中にスタッフがやってきて、撮影してまた元の生活(共演者たちとの)に戻る。

片倉ひかり役の蒔田彩珠は18歳だが、監督が通っていた中学校に本当に通い、部活動も数ヶ月したそうで。恋人役の役者(アスアブ鈴木の引きこもり!)とも実際にデートしたとか。

それがさも、珍しいかのように言われているけど、海外の話聞くと、それが当たり前に行われているので、日本もそういう徹底した事をしたらいいと思う。

 

ーー徹底した役作り故の(?)リアリティー

出演者は演技していると言うより、ドキュメントみたいな雰囲気も漂う。中盤の養子縁組のテレビや体験者たちは役者でなく、多分素人さんなのではないか。と疑う。永作博美と子役のやりとりも自然だった。

 

ーー片倉ひかり役がすげぇーー

永作博美の演技は言うまでもなく素晴らしかったのだけど、第二部の片倉ひかり役の蒔田彩珠に度肝を抜かれた。今年の日本アカデミー賞は彼女で決まりなのでは。と思うレベル。冒頭の清楚な中学生から養子縁組を機に堕落していく様を容姿も相まって体現している。中学生で妊娠、家族と仲悪くなって落ちぶれて…って並大抵のことじゃない。それを演じるってすごい責任とプレッシャーだと思うのだけど、彼女を通して似た体験をした人たちの想いがひしひしと伝わってきた。感動。

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ーー映像が美しいーー

光を意識した映像が多く、逆光が美しい。特に片倉ひかりと恋人が愛し合うシーンは美しい。こんなに愛し合って生まれた子供、育てたかっただろうなぁ。泣く。

 

ーーひかりと朝斗の名前(ネタバレ)ーー

産んだひかりと栗原夫妻が名付けた朝斗をつなげると「朝と光」。タイトルにもつながってくるし、主題歌も「朝と光」。ちょっとした小ネタだけどハッとする。

 

今年の邦楽ナンバーワン。永作博美の出演作、「八日目の蝉」含め良作多い。こちらも子供がテーマの悲しすぎるけど、名作の域の作品なので、是非に。

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↑こちらは号泣必須。必見。ぜひ。

 

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↑心の真ん中が痛い。連呼する名曲「抱きしめてあげる」


 

 

 

大幅な路線変更。それでも満足度1000% /エンド・オブ・ステイツ

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2019年製作/121分/PG12/アメリ
原題:Angel Has Fallen
配給:クロックワークス

 

【あらすじ】

テロ事件から世界を守ったシークレットサービスのマイク・バニング(ジェラルド・バトラー)は、過酷な職務のため満身創痍で、引退を考え始めていた。ある日、休暇中のトランブル大統領(モーガン・フリーマン)が大量のドローン爆弾に襲撃される。攻撃の最中意識を失ったマイクは、目を覚ますと大統領暗殺を企てた容疑者としてFBIに拘束されていた。(シネマトゥデイ

【感想】

ホワイトハウス→ロンドンと舞台を大きくしてきたし、タイトルも「ステイツ」とあるのでシリーズ最大の大規模作品になるのかと思いきや、今度は意外にも逃亡劇! あれだけ国につくした主人公の凄腕シークレットサービス、マイクが大統領暗殺の容疑者になりアメリカを舞台に逃げ回り、マイクのパーソナルな部分にフォーカスするという今までとは毛色が全く異なる作品で驚いた。が、それでもアクション映画として、シリーズとしても十分すぎる面白さ。中盤は少しだけ笑える要素もあったりしてマンネリ防止効果も。まだまだ、続編作りますよ!という意気込みも伝わってくる。

キャストもかなり変更され大統領役のアーロン・エッカートはおらずシリーズにずっと出演していた上院議員トランブル(モーガン・フリーマン)が大統領へ昇格。マイクの嫁役にはスケジュールが合わずダナ・ミッチェルからパイパー・ベラーポへ。シリーズを重ねるたびに殉職者が増えいなくなっていった。という説明も成り立つが。

唯一、少し気になったのはラストの爆発シーンがCGで作られた感じがしてしまい、逆に迫力に欠けた気がした。危険なシーンだしCGなしには作れない場面ではあるが、もう少し頑張って欲しい気もした。これもおすすめ!!!

続編でスケールアップ。満足度1000% /エンド・オブ・キングダム

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https://youtu.be/IELdwOTN7rQ

2016年製作/99分/PG12/イギリス・アメリカ・ブルガリア合作
原題:London Has Fallen
配給:ショウゲート

アクション大作の良作「エンド・オブ・ホワイトハウス」の続編鑑賞。舞台はホワイトハウスからロンドンへスケールアップ。続編になると面白さも減って行くのが通例だが、この映画は逆で面白さそのままの良質アクション大作だった!!!

 

【あらすじ】

イギリスの首相が謎の死を遂げ、ロンドンで行われる葬儀にアメリカ合衆国大統領ベンジャミン(アーロン・エッカート)が出席することに。2年前にテログループによるホワイトハウス陥落に立ち向かったシークレットサービスのマイク(ジェラルド・バトラー)も彼を護衛するために同行する。各国首脳がロンドンへと結集する中、彼らをターゲットにした同時多発テロが発生。歴史的建造物が次々と崩壊し、犠牲者が続出する。マイクとベンジャミン大統領は世界を混乱から救おうと立ち上がるが……。

【感想】

前作があまりに面白すぎたので、一体続編はどうなるのか。と予備知識入れずにしていたら、なるほど。そういう設定か! とワクワク度はマックスに。前作ではホワイトハウスではあるものの、あくまで自国が舞台だったが今作はイギリス。テロリストに攻撃され警備もなくなり、何の後ろ盾もなく、無人と化したロンドンを大統領とマイクはひた走る。

各国の要人が次々と死んでいく様は壮大。日本の首相も例外なく暗殺される。橋に仕掛けられた大型爆弾によりテムズ川のもくずと消える。ホワイトハウスを倒壊&血の海にするだけで不謹慎なのに。(笑)舞台もやることもスケールアップ。ラストもかなり強引な展開ではあるものの、面白いから許されるレベル。(多分)

観光名所にして神聖な寺院ウェストミンスター寺院もぶっ壊す。さすがにロンドンを象徴するビッグ・ベンは倒壊しなかったあたり、「やめてくれ」とオファーがあったのかも。

生き残ったのがアメリカの大統領だけで、テロを倒すのも彼ら。というのがいろんな意味が含まれていてちょっと怖い気もするが、エンタメ作品としては申し分のない、一本。おすすめ!!!

面白すぎ。満足度1000% /エンド・オブ・ホワイトハウス

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2013年製作/120分/PG12/アメリ
原題:Olympus Has Fallen
配給:アスミック・エース 

新型コロナウィルスの影響で、大作映画が軒並み公開延期になり、大作映画を自宅で観たい。しかもかなり面白い奴を。と探しているところに「エンド・オブ」シリーズを見つけ鑑賞。

 

【あらすじ】

シークレット・サービスとして大統領の護衛にあたるも、大統領夫人の命を守ることができなかったマイケル(ジェラルド・バトラー)。それから2年後、彼はホワイトハウス周辺を担当する警備員となっていた。そんな中、独立記念日を迎えたホワイトハウスをアジア人のテロリスト・グループが占拠し、大統領の解放と引き換えに日本海域からの米海軍撤収と核爆弾作動コード開示を要求する。特殊部隊による救出作戦が失敗に終わるのを目の当たりにしたマイケルは、一人でホワイトハウスに飛び込んでいくが……。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

超面白かった。感動するレベル。劇場で観るべきだった。アクション大作映画、自分の中では見尽くした感があって、見応えのある映画はもうないだろう。と思いつつ、たまたま見つけたこのシリーズ。自分が観たいと考えていた映画そのままだったので驚くばかり。

徳永英明ファンはご存知のジェラルド・バトラーが製作・主演を務めた骨太アクションの舞台となるのはなんと、アメリカのホワイトハウス。世界で一番安全と思えるこの場所が、テロリストのターゲットに。バルカン砲を積んだ戦闘機がホワイトハウス周辺を無差別攻撃。観光客含めその場にいた人たちはミンチにされ血の海に。地上ではRPG(ロケットランチャー)が飛び交い、こちらも火の海。ついにテロリストはホワイトハウスへの進入に成功、制圧。大統領も人質に。側近や国防長官もフルボッコのリンチに。

展開があまりにぶっ飛びすぎて、笑いが出るレベルだが、ハリウッドの凄いところはこういうことに惜しみなくお金をかけて本気でやり切っているところ。もうテレビの前で開いた口が塞がらない。人が爆風で吹っ飛んだり、撃たれたりする場面は生々しく9.11を想起さえさせる。

ツッコミどころもあるっちゃあるけど、展開が面白すぎて気にならないレベル。「24」を思い出すのは自分だけか。

不満があるとするなら、大統領夫人役のアシュレイ・ジャッドの無駄使い。出番もセリフも少なすぎて、久しぶりにみかけられて喜んでいたのも束の間。90年代は「スモーク」「ヒート」「評決のとき」など大活躍だったのに。それと、テロ組織がアジア圏というのも意外で、自分は初めて見たかも。

とにかくアクション映画としては100点満点で1000点。無茶苦茶面白い。観終わった後はスッキリ爽快。2013年の作品、タイトルは知っていたのに何故観なかった。自責の念。おすすめ。

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↑德永英明が日本版主題歌を務めた「P.S.アイラヴユー」。個人的にはミスキャスト感漂う作品だった。

 

 

ラスト・オブ・アス(リマスター版)プレイ。

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フォーマット:PlayStation®4

ジャンル:サバイバルアクション

発売日:発売中

希望小売価格:パッケージ版 1,990円+税販売価格ダウンロード版 1,990円+税

販売形態:ディスク/ダウンロード

CERO「Z」(18歳以上対象)

プレイ人数:1人オンライン対応

開発会社:Naughty Dog LLC

プレイステーション4専用ソフト「ラスト・オブ・アス」をプレイ。映画の話じゃありません。

 

【あらすじ】

ある日突然、謎の寄生菌のパンデミックが発生し、感染した人間たちは凶暴化して人々を襲いだし、社会は大混乱をきたす。突然に発生する大量の感染者には、軍隊でさえも容易に対抗できず、またたく間に世界は荒廃していった。

パンデミックから20年後、ブラックマーケットでの取引を生業とする主人公ジョエルは、武器取引を巡るトラブルに巻き込まれたことをきっかけに、反乱組織の女リーダー・マーリーンから運び屋の仕事を頼まれる。その“荷”とは、エリーという「この世界を救う鍵」をにぎる14歳の少女。ジョエルは荒廃したアメリカを、少女と二人で旅して行く。

行く手には、生存者を襲って感染を広げようとする「感染者」の他、かろうじて街の治安を維持しようとする「軍隊」や、生き残るためには手段を選ばない略奪者「ハンター」たち、自分たちの手により文明社会を復興しようとする抵抗組織ファイアフライとの戦いが待っていた。

一方で、生き残ってきた人々との出会いは、彼らの旅に新たな希望と絶望をもたらす。ジョエルとエリーは、時には反発し合いながらも助け合って旅を続けていき、少しずつ信頼関係を築いていく……[15]。(ウィキペディアより抜粋)

【感想】

ホラーゲームなので、怖いかと思ったら意外とそうでもなくステルスアクション要素が強い。怖がりな自分でも最後までプレイ可能。難易度は「初級」を選んだ為か、感染者とのバトルは少なく「ハンター」など人間の方がメインだった。メタルギアソリッドを思い出す。

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ただ、このゲームにはゲーム中にマップが表示されない。なので方向感覚がないと自分が今どこにいるのかがわからず、パニックになりそう。特に真っ暗闇のステージは恐怖しかない。また、敵を黙殺する際には真後ろからしか出来ないのも辛かった。メタルギアソリッドのように、物陰からひっ捕まえて黙殺できればいいのだが、横からだと敵に気付かれてしまう。

なので印象としては映画「アイ・アム・レジェンド」、ゲーム「メタルギアソリッド」「バイオハザード」をミックスした印象で、パンデミックで政府も機能しなくなり街には植物が生え…という世界観は個人的には大好物。そんな中で繰り広げられる過酷な戦いと、主人公ジョエルとウィルスに唯一免疫を持つ14歳の少女エリーとの旅はゲームさながら映画を観ている感じで、先が気になって仕方がなく、かなり長時間プレイしてしまう中毒性を持つ。

(以下ネタバレ)また、本編とは別の「残されたもの」ではエリーが同性愛者であることを示唆する表現も。ゲームもここまで来ましたか。という感じ。

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↑ゲームを進めるにつれ、二人の絆が深まって行く過程が見られるのも楽しい。実際に人が演技している映像をキャプチャーしているのでリアル。映画さながら。


今年発売されたばかりの続編では「1」から5年経った世界が舞台で、感染者は相変わらず存在しているようで、19歳に成長したエリーが主人公。パッケージは彼女の鬼の形相がデザインされており、何やら続編はただならぬ雰囲気。理由は知らないが何かとんでもない出来事が起こり、その復讐をする為エリーが無双するというストーリーらしく、今作ではジョエルは同行しない模様。

ゲーム内の表現上が問題で(?)かなり炎上していた。ということも知ったけど、ゲームとしては面白いのだろうか。「1」が面白かったので、絶対にプレイする事には変わりはないのだが、値段が下がるのを待ってプレイしたい。

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ゲームのストーリー性の高さから実写化も企画中らしく、ドラマ作らせたらピカイチ会社HBOが進めている。こちらも楽しみ。

ところてん、関西は黒蜜をかけて食べるという衝撃。/みをつくし料理帖【舞台挨拶付き】

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2020年製作/131分/G/日本
配給:東映

【あらすじ】

享和2年の大坂。8歳の澪と野江は仲のいい幼なじみだったが、大洪水に襲われ離れ離れになってしまう。大洪水で両親を亡くした澪(松本穂香)は江戸のそば処「つる家」の店主・種市(石坂浩二)に助けられ、その後、料理人として働いていた。大坂と江戸の味の違いに戸惑い試行錯誤した末に店の看板料理を生み出し、江戸中の評判になる。(シネマトゥデイより抜粋)

【感想】

言わずもがな、松本穂香目的。他、どんなストーリーなのか共演者が誰なのかなど、一切知らずに鑑賞。彼女にとっては初のビッグバジェット映画で公開館数もかなり多い。角川春樹の監督引退作品という事で話題性も高い(と思う)。

舞台挨拶付きの回に行ったのだが、共演者が豪華で驚いた。また、舞台挨拶の進行もしっかりしてた。インディーズ系の舞台挨拶はよく足を運んでいたが、それとはまた違う雰囲気。ちょっと緊張感高め。

小説ベースで映画化された今作、黒木華主演でドラマ化もされているらしく、それらは一切読まず見ずで鑑賞。2時間10分と少々長めの尺だけどストーリーの起伏は激しめなので、飽く事なく観られた。

超絶豪華俳優陣の中で主演を張った松本穂香の演技力は今更どうこういう必要なしで、目力いつもより強調、プラス澪のトレードマークである「下がり眉」もしっかり再現していた。調理シーンは替え玉を使う事なく、2ヶ月料理学校へ通い自身で演じたそうで高いレベルの演技を満喫できる。

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他の共演者もいい感じで、中でも藤井隆演じる小説家が場の雰囲気を和ませるお笑い担当役ながらも、キーマン的な存在でもある。その他主演張ってる俳優がチョイ役で出てくるなど、角川春樹の有終の美を飾るかのように、贅沢にキャスティングされているのも見所。

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↑いまだに「アイキャンフライ」のイメージがあったけど、この作品で払拭。言葉少ないけど存在感のある役で印象的だった。窪塚洋介氏。

それにしても、生き別れた幼なじみのふたり澪(松本穂香)と野江(奈緒)、後者は不運にも人身売買で吉原に身を置く事になるのだが、いかなる理由があろうとも、絶対に二人は会ってはならない。というのはどういう事なのか。中村獅童演じる又次は完全にヤクザだし、流血騒ぎも。吉原の裏事情を知らないのだが、やはり裏社会とがっつり関わっているだけに、闇は深そう。恐ろしや。

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↑かたや料理人、かたや遊女。ただし、共に江戸に名を轟かす存在。数奇な運命。

落涙する場面もあり、エンタメ作品として楽しめる一本。日本の時代劇を映画館で観るのは初めてだったので新鮮味も。良作。

それにしても、ところてんを大阪では黒蜜で食べる。風習はこの映画を観て知ったのだが、それはカルチャーショックだった。7年も大阪の人と一緒に働いていたのに、そればかりは知らなかった。

 

 

 

3時間バイオレンス。/異端の鳥

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2019年製作/169分/R15+/チェコ・スロバキアウクライナ合作
原題:The Painted Bird
配給:トランスフォーマー

映画館のポスターを見て知った「異端の鳥」を観賞。

 

【あらすじ】

少年(ペトル・コラール)は東欧のとある場所に疎開し、無事にホロコーストから逃れる。だが、疎開先の一人暮らしの叔母が病気で亡くなり、さらに叔母の家が火事で焼け落ちたため一人で旅に出ることになる。孤児になった彼はあちこちで白い目で見られ、異物として周りの人々にむごい扱いを受けながらも懸命に生きようとする。(シネマトゥデイより抜粋)

 

【感想】

少年をひたすら虐め、虐待し抜く暴力に満ちた3時間。彼に危害を加えるのがナチスだけでなく、行く先々に住む一般市民であることも、なおのこと恐ろしい。

物語は章別に区切られ、少年が訪れる先の登場人物の名前が表示される。その人物達が少年にとんでもない危害を加える訳だが、その章のボスを倒し、次のステージに進んでいくようなゲームに似た感覚にもなってくる。

印象的なのは「異端の鳥」(painted bird)を象徴するシーン。鳥に白いペンキを塗り、その鳥を群れに返すと、他の鳥はそれを異物とみなし攻撃を始め殺める。地面に落ちたそれを、同じく異物である少年が拾い上げる場面はこの映画のテーマを暗示している。

(右記、ちょっとネタバレ)多くの虐待に耐え抜いた少年が初めてブチ切れるシーンは、「お前も幼年にして大人なんだな」と思わせる。(笑)お世話になった女性がかなりの淫乱で、少年は女性の相手をさせられるのだが、初体験の少年が女性を満足させられるはずもなく。その後、すごい方法で女性は少年に対して屈辱的な態度を見せる。それを見た少年、激昂して女性の家畜(ヤギ?)の首を切り落とし、深夜に女性の寝室に放り投げ、そのまま脱出。「ゴッド・ファーザー」を思い出したのは自分だけだろうか。

ということで、このあたりから少年も他人を傷つけるような行為をするようになる。彼は果たして無事「家」に辿り着けるのだろうか。

チェコ・スロバキアウクライナ産だけど、ハリウッドで活躍するメジャー級の俳優が出演していることに驚いた。ハーヴェイ・カイテルバリー・ペッパーなどなど。後者はワニ映画の傑作「クロール 凶暴領域」で圧の強すぎるスポ根オヤジを熱演。

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↑やられたら、やり返せ。の精神を少年に伝授する物静かなスナイパー。彼が少年ののちの行動に大きな影響を与える。

 

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德永英明が観なかったら、観なかった。/真夜中のパリで、ヒャッハー!

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2014年製作/84分/フランス
原題:Babysitting
配給:「真夜中のパリでヒャッハー!」上映委員会

【あらすじ】

出版社勤務のフランク(フィリップ・ラショー)は社長からの依頼で、自分の誕生パーティーを諦めて一晩だけ子守を引き受ける。社長の屋敷で彼を待ち受けていたのは、チヤホヤされて育ったわがまま息子のレミだった。レミは、自分の父親の部下であるフランクに理不尽な要求ばかりを突き付け……。

 

【感想】

徳永英明が観た。と記憶していたので、ふと「観てみようかな」。と思い至った次第。ただそれが「真夜中のパリでヒャッハー」なのか「世界の果てでヒャッハー」なのかわからなかったので、先に製作された「真夜中の…」の方を鑑賞した。

観る前は、本当に面白いのか? 前情報もなく、かなり迷った。レビューを観たら軒並みかなりの好評だったので、観賞したら。かなり面白かった。これは笑えた。

下ネタと動物を使った悪ふざけが冒頭は鼻について、この先もっと酷くなるのか不安になったけど、許容範囲内のギャグで声出して笑えるポイントがいくつもあった。

子守をしているはずの家に誰もおらず、警察まで出動する大騒ぎで一体何が? と思っているところに、現場に残されていたカメラでその謎が明らかになって行くサスペンス的な要素も良かったし、社長の息子のレミも次第に主人公のフランクに心を開いて行く様も心温まる。

傑作だと思う。德永英明も述べていた通り、トップレスやストリッパーが登場したり、下ネタも結構キツめな内容なので、鑑賞の際には注意が必要だ。久しぶりにコメディ映画を観たけど、自分はあまりコメディ映画は観ていない事に気づき、物色中。德永英明のおかげで、とんでもなく面白い映画を知り、コメディ映画にも目覚めるという一石二鳥な情報を、3年も前に言っていたにもかかわらず、今頃になってようやく得られたのだった。

おすすめなので、是非に。

 

続編「世界の果てでヒャッハー!」も鑑賞。こっちが德永英明が観た作品。フランクの彼女の父親が営むホテルに赴き、バカンスするはずが彼女の祖母の面倒を見る事に。そしてまたしてもフランク達は失踪。そこに残されていたハンディカメラに記録されていた映像を見る。という内容。

観る順番にもよるかもしれないけど、舞台を家からジャングルに変えた。という事以外はフォーマットは基本同じで新鮮味は感じられなかった。結末も展開もわかっているので、先は読めてしまったし、途中も少し中弛みを感じはしたが、映画としては楽しめた。どっちを先に見ても楽しめると思う。

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